あの短い話をどう映画にするんだろうと思いつつ観てきました。
なるべく映画に関する予備知識を入れないで観たので
「ああ、そういうこと!」という感じで楽しめました。
短篇「ヴィヨンの妻」を主軸に、その他の太宰作品からお話を寄せ集め
ひとつのお話としてまとめたオリジナル作品です。
ヴィヨンの妻自体がとてもさっぱりとした短篇なので
まあちょっとメロドラマにしすぎじゃないかな?
という感想を持ったのも正直なところです。
でも、題名にこだわらず
太宰作品全体に漂うイメージをひとつの形にしたという意味では
非常にうまく世界観を作ったと思います。
生誕100周年だしね!!!記念作品としてもね!!!
前半の台詞はもう一語一句と言っていいほど原作通りです。
慣れるまではちょっと気になります。
フキダシの言葉とはいえやはり完全な口語体とは違うので。
まあでも途中で慣れるのと演技に引き込まれて気にならなくなります。
松たか子さんはもうハマリ役で。素晴らしかったです。
浅野忠信さんは、もうちょっと感情的なほうが好きだったかも・・・。
もしかしたら「死にたい」人を表現して抑えていたのかも知れませんね。うん。
脇もそれぞれ良かったです。
そういうことで、うまい役者さんばかりだし、
「ヴィヨンの妻」をああ広げたという驚きもあるし、
全体的に良かったと思います。
ちなみに先ほど、中学生の頃に読んだ以来で読み返してみましたが
「あ、ここで終わってるのはさすがだな」と改めて思いました。
淡々とした感じがやっぱり好きだなあとも。
深夜のアニメ(←青い文学)で「人間失格」始まったところですし、
生誕100年太宰祭、まだまだ続きそうですね★