- 出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2006/03/10
- メディア: DVD
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自由奔放で華やかな暮らしを夢見る母アデル(スーザン・サランドン)と、
普通の暮らしを夢見る美しく知的な14歳の娘アン(ナタリー・ポートマン)という母娘が主人公。
ウィスコンシン州の小さな町ベイ・シティでの退屈な毎日に我慢できず
離婚後再婚した元夫や年老いた母、親戚・・・それらのしがらみ全てを捨てて、
シャンパンゴールドの78年型縦目メルセデスを買い、ハイウェイを一路LAへ。
華やかな生活を夢見るものの、現実は厳しく
電気料金滞納で供給を止められることもしばしばなのに
安月給だからとすぐに仕事を辞めたり、アンを女優にさせようとオーディションを受けさせたり、
ビーチで知り合った男性に夢中になって、一晩で捨てられたり、
奔放で派手好きな母の言動に次第にフラストレーションを募らせていくアン。
いつもどこかの養女になりたいと願い、叶わぬなら田舎に戻りたいと考えていたのだが、
心の拠り所だった従兄弟の死をきっかけに帰省した時、
そこはもう自分の場所ではないと分かってしまう。
いたたまれなくなったアンは父親の連絡先を探し当てて電話をするが
アデルの差し金でお金を要求しているのかと疑われ、ショックを受ける。
心の拠り所を失い、父にも拒絶され、周りを頼れないと理解したとき、
母を離れる最後の手段として東部の大学への進学を決める。
アデルに内緒で願書を送り、通るのだが、
奨学金だけでは学費が補えないことを知り、諦める。
それまで自分の元を離れ大学に行くことを猛反対していたアデルだが、
愛しているからこそ出来ることは何かと考えて・・・。
邦題は「地上(ここ)より何処かで」1999年。ウェイン・ワン監督。
スーザン・サランドン×ナタリー・ポートマン
母娘の反目やそれぞれの自立、愛・・・等々分かりやすくて使い古された主題だし
地味で起伏もあまりないが、飽きることもなく最後まで観ることができた。
主演の2人が巧かったのかもしれない。
あとは、微妙な人物設定が功を奏したのかもしれない。
どうしようもなく自分勝手な母が、文字通り救いが無く描写されているのではなく
娘を愛するが故によかれと思ってする事が全て裏目に出る、という
不器用さを以て描かれているので、なんとなく嫌な感じがしないのだろう。
シャンパンゴールドの縦目ベンツが象徴的に使われていたのも個人的には好感が持てた。
単に、縦目ベンツが好きだからという単純な理由だが・・・。
お金もないのに見栄を張って手に入れた美しいベンツを、最後は娘の大学進学のために売る。
そしてそのときから、2人の関係は変わり始めるのだ。
とくに女性なら、作中に出てくるエピソードのうちのどこかに共感できるのでは。