- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: 単行本
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遺伝子検査関係の会社に勤める兄、泉水と、
「グラフィティアート」と呼ばれる落書きを消す仕事をしている弟、春。
ある朝泉水は出勤し、会社でボヤ騒ぎがあったことを知る。
そしてそれは、おそらく最近話題の連続放火犯に因るモノだろうという話だった。
その日の夕方、春から放火を予見していたかのような電話がかかってくる。
春は、連続放火とグラフィティーアートの関連性に気付いたと言い、
泉水に一緒に犯人を捕まえようと持ちかけるのだが・・・
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ってこれ以上書くと、ネタバレになっちゃうので、ここまで。
多くの日本文学の引用と、偉人の言葉、比喩・・・
巻末の参考文献がえらいことになってる感じで伊坂ワールドです。
物理的な繋がりだとか、気持ち的な繋がりだとか、
要は、家族って・・・・・だよね、ということです。
(ここも書くとネタバレだから!)
「犯罪」という次元での事の本末に納得いかない方も多いのでは?
という気がしないでもないお話ですが
それはつまり正義とは何かとか、何を信じるのかとか、
そういうところへの問いかけでもあると思うので、
そう思って読むと良いと思います。
ひどい・・・「it」ばかりの文章w。
ネタバレすぎて何も具体的なことが書けない辛さ・・・
本当は春の存在意義についてとか、小一時間くらい語りたい。
さて続いて映画。
http://jyuryoku-p.com/main.html
役者さんがもう全員はまり役で、非常に好感持てました。演技も。
加瀬亮さんものっそい好きなんですが、まさに泉水!っていう・・・。
あの、とぼけた雰囲気ながらも、兄ちゃんやるときはやるんだぜ!
な感じがなんとも合っていました。
原作とは若干設定やストーリーが違いますが、
良い感じで映画らしくまとめていたと思います。
台詞も、原作読みながら「作者はこれ、言いたかったんだろうなあ」
っていうところをしっかり入れてあったし。
ただ、原作の(たぶん)あえて排除して淡々としていたところが、
映画では熱くなりすぎたというかこだわりすぎていたというか
ジンジャーエールとか、飾ってあったピカソの絵とか・・・
表現したいことは分かるのだけれど。
まあ、そんな感じで、全体的に、良かったです。雰囲気。
原作ファンの方なら、きっと楽しめると思います。そうで無い方も、たぶん・・・