- 作者: 瀧澤中
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/01/25
- メディア: 新書
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我が家は今、空前の戦国時代ブームなので、
基本世界史好きなんですが、最近日本史関係の本を読むようになりました。
余談ですが、面白い物でそう言うときに限って
「日本古代史に関わるパネルディスカッションの司会」という話が来たり。
(これはこれで勉強しなくては・・・。)
さて、この本で取り上げているのは信長以降の武将です。
つまり、人が何かの決断をする時、そこには相当大きな比重として、
「それは自分の利益になるのか否か」ということが働いているのである。
そんなことは当たり前ではないか、と思われるかもしれない。
しかし、戦国時代を描写した小説や評論のたぐいでは、
じつに不思議なことにこの「自分に利益があるか否か」という
視点がかなり欠落しているのである。
ということで、美化されたブシドーで語られがちな歴史を、
政治学的に読んでみましょう、という本。
この姿勢に、非常に共感したので手に取った一冊です。
信長、秀吉、家康といったお決まりの3人の検証のほかには、
天下を取れなかった有力大名(武田信玄・北条早雲・斎藤道三)など、
各人が出世した背景や合戦の勝敗の背景などを取り上げています。
大まかな歴史が分かるのと、アプローチは非常に良かったのですが
根拠として「~ではなかったか?」「~であったに違いない」などなど
著書の想像の範囲を超えていなかった感が否めませんでした。
政治学的に・・・というわりには仮説のみが目立って、
根拠が薄いというか。なんだろう、文章が悪いのかな。
まあ、当時記された記録書なども、時の人に非常に有利に好意的に
書かれているものなので、本当の本当の本当の部分というのは
当時の人にしか分からないものなのですが。
答えがあるようでないところが、歴史の魅力かもしれませんし、
そういう意味では著者のせいでもないのかな。
あとは申し訳程度に、現在の政治家と比べたりしているのですが
正直、いらないかも。。。無理矢理感が。
ただ、歴史書とも小説とも違ったアプローチから
さらっと歴史が分かるので、そういう点ではオススメです。