- 作者: 林壮一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/01/17
- メディア: 新書
- 購入: 5人 クリック: 127回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
学術的なアプローチをした社会学的な本ではなく、
アメリカでスポーツ関係のフリージャーナリストをしている著者が
数ヶ月間、アメリカの貧困地域の高校で教壇についた時の体験談をまとめたものです。
そのため、数的な説得力はありませんが、
貧困層がどのような状況にあるのかという雰囲気は良く伝わって来ました。
おそらく彼本来の仕事の、取材をしてまとめた方が説得力が出たんだと思いますが
自分はこんな授業をやってこれだけ生徒が変わったんだぜ!
という思いのほうが強く表現されていたので、「雰囲気」ということで。
究極の要約をすると、
「みんな根は良い子なんです。
でも、貧困と悲劇的な家族環境が、彼らの成長を阻んでいるんです!」
という内容です。そうですね、という感じです。
移民、差別、シングルピアレント、ネグレクト、育児放棄、貧困。
19人のクラスのうち、実の両親と暮らしている子は1人。
18人は、里親に育てられているということでした。
・・・・アメリカの光と影、思いっきり影の部分です。
アメリカほどに複雑でないにしろ、日本でも格差はひろがりつつあるわけで、
数十年後は日本もこうなるんでしょうか・・・・。
日本の経済&教育政策は迷走しまくりなので本当に心配です。